副業のビジネスでプライベートカンパニーを設立、1年間一生懸命自分のビジネスに取り組んだら、その集大成として行うのが法人決算・申告だ。

この1年で、あなたの会社がどれだけ頑張ったのかを示す通知表を作成する作業、それが法人決算、申告。

この法人決算・申告に向けてやらなければいけないことは、必要な書類を集めて、整理する事。

 

なかなか、面倒な作業とあって普段は手をつけない人も多いが、毎日わずかな時間でもこまめにしっかりやっておけば、結証拠書類(証憑書類)を整理は結構簡単だ。

さらにMoney forwardやFreeeなどのようなクラウド会計を使えば、仕訳の手間はだいぶ無くすこともできる。

 

帳簿書類の保管方法に特別なルールはない。

だから、基本的にはご自身のやりやすい方法でやれば良いのだが、私自身がそうであったように、それでも少しは何か参考になる情報は欲しいものだろう。

所謂、プライベートカンパニーのような小規模法人の帳簿管理方法。

 

ひとまず私がやっている方法を、この場で自分の頭の整理の意味も込めて書いてみたいと思う。

 

1.領収書やレシート類の保管方法について

私のようにインターネットを使った物販ビジネスを行っている人間は、仕入れに関わる伝票が非常に多くなる。

レシートや領収書、海外からのインボイスなどなど、書類のサイズもバラバラなので、ひとまず全てをジップロックに全て放り込んでいる。

私の場合は、ほとんどビジネスがネット上で完結しているため、オフラインでの支払いが多くない。

 

そのためレシートに関しては現金・振込・クレジットカードと、支払方法で分けることもなく、全てごっちゃ混ぜである。

またデータ管理できるものは、極力紙ではなくデータ(PDFやスクショ)で保管している。

 

例えば、私が仕入れでよく使うヤフオクについては、ヤフー簡単決済の画面上で、月ごとの明細が取れるので、それをスクショしてデータ保管している。

そして、それをパソコン上に決算期ごとにフォルダを作って、その中に月別明細として保管。

ひとまずこれで主要な仕入れデータは管理できる。

 

Paypalやクレジットカードなどの支払い明細もデータ化して同様に管理すれば紙ベースで保存する必要がかなり減ることになる。

なおベース(領収書やレシート、発送伝票など)で保管しているものは、上でも述べた通り基本的にジップロッックに放り込んで、特に明確な管理は行っていない。

これも、仕入れや備品購入もオンラインベース、商品発送は外注化しているなど伝票管理も極力減らす施策をとっていることが要因だ。

 

余談だが、作業を全てを自分でこなしているようでは、作業量自体が増えるばかりでなく、このような伝票処理などの手間も副次的に増えてしまうことを注意する必要がある。

このような仕組みでビジネスをしていると、データとして管理できずにレシートとして手元に残るのは、主にタクシーなどの旅費交通費やレストランや飲み屋で使った接待交際費、上でも書いた現金でしか決済できない荷造り運賃などの商品発送料金、あとは書籍などの、新聞図書費程度に落ち着く。

これらの現金レシート類は、とにかくジップロックに一カ月貯めて、クラウド会計ソフトには手入力しているような状況である。

 

ちなみに領収書が無い支出の場合は、出金伝票という手段を使う。

自動販売機、切符、割り勘の交際費などは領収書はでないし、そもそも領収書をなくしてしまう場合などもある。

そんな場合は、出金伝票を使うことで解決できる。出金伝票については、ダ⚪️ソーなどの百均で売っているので探して見て欲しい。

 

2.クレジットカード支出:領収書と紐づける作業。

できるだけクレジットカードで支払いにすることで利用明細が出るようになり、クラウド会計に自動で取り込まれることから仕訳の手間も無く非常に便利だ。

ただ、クラウド会計に取り込まれた段階で、しっかりと何に対する支払いに使ったものなのかは備考などに記入しておかないと、とっちらかってよくわからなくなってしまうので注意が必要だ。

 

クレジットカードを実店舗などで使った場合に領収書やレシートをもらった場合も、月毎にまとめているレシート保管ジップロックに入れておく。

そしてクラウド会計上の備考にも、その利用用途を簡潔に記載しておく。

オンライン店舗での利用は利用明細をデータでとっておけるが、リアル店舗でのクレジットカード払いレシートは、月毎にまとめてしっかり保管しておく必要がある。

 

話が前後するが、近年はアマゾンを含めたネット物販事業者は領収書を同封していない場合が多い。

それと言うのも、クレジットカード利用明細が領収書として認められているので、領収書発行の必要はないと思っている業者が多いからだ。

一般人にとってはそれで良いだろうが、我々のようなプライベートビジネスにおける仕入れとして、商品を購入している場合はそうはいかない。

 

確かにクレジットカードが利用明細が領収書として認められたにせよ、利用の内容がわからなければ、仮に税務調査が入った際に、何に使ったものか質問されても全くわからない。

そういう状況へのリスクヘッジと言う意味でも、クラウド会計の明細の備考には何に使ったものなのかしっかり記載しておくことをお勧めしたい。

 

3.仕入れ伝票の保管方法。

先ほども少し述べたが、私のようなインターネット物販を行うような小売業で一番厄介なのが、仕入れ伝票の保管方法である。

仕入れ費用と言うのは経費となる支出だが、消耗品ではないしヤフオク仕入れなどを主体としていれば仕入伝票(インボイス)などもない、

基本的には、ネット上で得られる購入履歴情報をデータとして保存することで対応する必要がある。

 

仕入先によって、またジャンルによってざっくりと分けたり、一カ月単位で区切って情報を保存しておくと、自分なりにもわかりやすくなるのでお勧めである。

数が多くなって仕分けが難しくなってきた場合は、裏技として用途によってクレジットカードや銀行口座も区別して使うようにすると、明細もそれに合わせて保管できるので非常に便利だ。

 

4.売上データの管理

売上データの管理については、販売方法や使っているプラットフォームなどによって計上の仕方は若干異なる。

ただ、そこまで神経質になる必要はないのではと、個人的には思っている。

私の販売のメインはヤフオクやebay、ネットショップといった、ほぼ売上と入金のタイミングがイコールとなるものが多いから。

 

売れてから入金までのサイクルに若干の誤差があるようなアマゾンやバイマ、ヤフーショッピングであれば売掛金処理なども厳密には行わなければいけないのと比較すればかなり楽チンである。

 

4−1.ヤフオクの売上

ヤフオクの売上は、ヤフオク管理画面上の月別販売履歴のスクショで管理している。

売上日と入金日がほぼ一緒の場合が大多数なので、売掛帳は作らず、基本的に販売管理画面のみで仕分けをしている。(税理士がね。)

まぁ、消費税率切替のタイミングと、期末だけ気を付ければ問題無いのではなかろうか。かんたん決済については、入金タイミングが若干ズレるが、その点はご愛嬌と言うことで。

 

4−2.ネットショップの売上

ネットショップの場合、各自導入している決済サービスにより、売上データの集計方法は異なる。

私が愛用しているカラーミーショップの店舗については、Paypal決済、銀行振込など複数導入しているので、入金日=売上とはなりにくい。

そのため、これもカラーミーショップの販売管理画面のスクショで対応している。

この辺りはヤフオクと基本的に一緒である。

 

5.小売業者にとって棚卸資産評価額は重要。

決算時点での棚卸資産評価額次第で、年間の利益額が変わるので、小売業者にとっては超重要な部分だ。

仕入原価と一言でいっても、仕入れ価格だけでなく、仕入れに伴う費用も含めて計算しないとマズイ。

国内仕入れでは送料、海外からの仕入れでは関税、国際送料、為替レートも含めて計算する必要がある。

 

海外からの仕入については、極力送料を浮かすために、まとめて大量に仕入れる場合が多いので、具体的な1点あたりの配送コストを算出するのはなかなか難しい。

それでもなるべく仕入れのタイミングで各経費をある程度きっちり算出する方が良いと思っている。

そんな細かな心配りが、実は後になって自分の利益として効いてくるのは間違いない。

 

期末に在庫データの最終作成をするのはかなり面倒(っていうかほぼ不可能)なので、やはり仕入れたタイミングで棚卸表の作成は忘れずに行っておきたい。

そうすれば、多少の差異が出たとしても、調整は結構容易に行えるに違いない。(もちろん税理士としっかり話をしておくことは重要だ。)

 

6.金融機関の取引明細を出力。

クラウド会計を使えば、金融機関の取引明細も自動入力することができて便利なのだが、一応その証拠となる取引履歴の書類は、用意しておいた方が良いだろう。

なお、これもネットバンキングを使えば、1年単位程度でPDF出力することができるので便利だ。

今は通帳を発行しないでネットバンキングのみで簡潔させている場合も多いだろう。

とにかくわかる形でデータをとっておくことができれば良いのだから、わざわざ記帳などが必要な紙ベースの通帳を持っている必要はないのである。

 

ただ、ちょっとだけ面倒なのがPaypalの出入金履歴の管理。

Freeeを使っていると、現在はまだPaypalデータに反映されるのが日本円だけなので、ドルやユーロなどの異なる通過の動きを把握することができない。

税理士との打ち合わせでも、一番チェックが入るのがPaypal上の他通貨の動きだ。

 

その説明でも、このPaypal上データを使うのが一番楽で効率的だと思われる。

Paypalに関しては月間ステートメント明細を使うのが便利だろう。

その月ごとの、各通貨ベースが月初と月末までにどのように動いたかという流れを細かく記載してあるからとても便利だ。

 

7.クレジットカードの利用明細はWEB明細に注意。

クレジットカード明細も、クラウド会計を使っていると結構忘れがちになる。

特にWEB明細を利用していると、ペーパーレスの時代を反映するように利用明細は送られて来ない場合が多い。

ただ、これも基本的には年間を通した利用明細を期末にまとめてPDF保存しておけば問題はない。

 

たまに2か月~半年までしか遡って閲覧できないカードもあるので、その辺は事前にチェックしておいた方が良いだろう。

忘れることがないように、クレカ明細を毎月送って貰うというのも一つの手段。

入力漏れも無くなるし、不正請求にもすぐに気づくことができる。

 

ちなみに会計処理としては、クレジットカードの利用分は未払金として計上されることだけ覚えておこう。

 

8.さいごに

毎年必ず行わなければいけない法人決算。

できるだけ効率的に決算を迎えるためには、クラウド会計の導入と、極力電子データ化して保存できるのが一番だ。

紙ベースのものは、わかりやすくまとめて保管。

 

なお決算申告が終わっても、資料の保管はしておく必要がある。それは後日、税務調査が来る時への備えだ。

普通に会社経営をしていれば、税務調査は普通に行われること。

帳簿と証拠書類も、しっかりと保管しておこう。なお原則7年間は保管義務もあるので、その点も抜かりなく確認しておこう。

 

さて次は「副業の会社でもやっぱり専門家の協力は不可欠。税理士と契約しよう。」について書いてみよう。