サラリーマン的思考という言葉をご存知だろうか。サラリーマンとしてアラフォーまで働いていると、自然とこんな考え方が身に付いてしまう。
- 収入は自分が提供した時間への対価である。
- 指示されたことをこなすのが仕事である。
- とにかく安定を求める
このようにサラリーマン的思考で考えると、収入を得るというのは言い換えると「自分の人生の時間を切り売りすること」である。
つまり、収入とはイコール時間給なのである。そこに価値の想像、顧客満足などと行った発想は一切存在せず、会社や上司から言われた仕事を、決められた時間内でこなすことしか考えない。
とにかく週5日、1日8時間、言われたことをこなすことで、その対価として給与というお金を毎月安定して得られるというものだ。
このサラリーマン的思考は、副業でプライベートカンパニーを立ち上げて、事業を起こす際に大きなネックになる。
それに対して事業家的思考は、お金を稼ぐことは自分の創造した付加価値に対する顧客満足の対価を意味する。
そんな事業家的思考を腹に落とすために必要なのが、お金の使い方である。言い換えると「投資」「消費」「浪費」の違いを知って、効果的に自己資金を投下するということだ。
だから、サラリーマンのあなたが、副業を事業として立ち上げて、十分な収入を得ていくためには、このお金の使い方の違いをしっかりとマスターする必要がある。
今回は、「投資」「消費」「浪費」の本質を理解するというテーマで書いてみよう。
1.投資と消費と浪費の違いを知る。
1−1.そもそも投資とは何か
インターネット上の情報を眺めて見ても、実際に多くの人がこの「投資、消費、浪費」の話題を取り上げている。
それら主張を簡単にまとめると「無駄遣いが浪費」、「必要な支出が消費」、「将来のためになるのが投資」みたいなボンヤリとした記事や意見が多い。
だが、その違いを明確に定義付けしている記事は、実はかなり少ないように思う。みんな、なんとなくわかった風な感じで書いているが、どれをとっても誰かの受け売り、焼き直しや言い換え程度で終わっているように思えて仕方がない。
ほぼ十中八九、「キャバクラで使っちゃうのが浪費、毎日のご飯を食べるお金は消費、副業教材を買うお金は投資」みたいな話だ。これで本当に、実際の明確な定義を理解しているのだろうかと疑問に感じざる得ない。
まあ、私自身が偉そうなことを言える立場ではないのだが、実際に、私が多くの成功者の行動を観察していると、成功して多くのお金を稼いでいる人たちには、このお金の使い方の定義に共通するものがある。
それは、「自分というファクターを通して支出した金額以上の付加価値を、他人に対して提供することで、その感謝の気持ちである大きな対価を得ている」ということだ。
1−2.「投資」、「消費」、「浪費」それぞれの定義
投資とは、その支出の対価が自分や家族にとって、その金銭と同等の価値のあるものと交換できて、さらに将来的には他人のためにも価値のあるものになることをいう。
消費とは、その支出の対価が自分や家族にとって、その金銭と同等の価値のあるものと交換できたことをいう。
浪費とは、その支出の対価が自分や家族にとって、その金銭と同等の価値のあるものと交換できなかったことをいう。
「お金とは、提供された商品やサービスに対して、それを受けた顧客が満足感や感謝の気持ちを形あるものとして表現したもの。」
その定義からいえば投資とは「自分が支出して得た物や経験が、自分というファクターを経由することで金額以上の付加価値が加わり、その支出金額以上に他人に感謝の気持ちとしてより大きなお金を支払ってもらえる価値に変わること。」となる
例えば、よく投資の例であげられるのが「自分の見聞を広めるために旅行にいくのは自己投資である」というものだ。
なぜか自己見聞を広めると言った時点で、「投資」であると定義している人が多いのだが、正直なところ私は決してそうは思わない。
投資とは、最終的に自分が支出した資金を超える他人からの具体的なリターンを得られることで初めて投資と定義付けられるからだ。
そう考えると、例えその旅を通して自分の世界観が広がるほどの経験が得られたとしても、それだけなら「ただの消費」である。
美味しいご飯を食べることで、自分の体の血や肉になったということと、なんら変わりはないのだ。
なぜなら、その経験は自分の中で完結しており、他人に対して自分を通した付加価値を一切提供していないからである。
1−3.お金の使い方を投資に昇格させる考え方。
その経験を「投資」にまで昇格させるにはもう少し先に進む必要がある。
例えば、あなたが旅したその国には、ガイドブックにも載っていない日本では情報さえ入ってこないような商品があったとする。
そして、あなたがその商品を日本で販売して、多くの人に喜んで買ってもらうことができたら、そこには大きな収入が生まれるだろう。そうなって初めてあなたの旅は投資となる。
また、実際の商品を販売するようなことでなくとも、その国に行くことで初めて得られる知識や技術、文化などをあなたが持ち帰り、まだその国に行ったことのない他人に紹介することで、その人から感謝され、結果何かしらの経済活動が生まれたら、それもやはり投資と言えるだろう。
繰り返しになるが、投資とは自分が支出して得た物や経験が、自分というファクターを経由することで支出した金額以上の付加価値が加わり、他人から感謝の気持ちとしてより大きなお金を支払ってもらえる何かに変わることだ。
そして成功している事業家たちは例外なく、自分の持つ資本をそのような将来的に他人に付加価値を与えて、支出以上のリターンを得るものに使っているのである。
2.さいごに
今回は、「投資」「消費」「浪費」の本質を理解してサラリーマンから事業家に生まれ変わるというテーマで述べてきた。
実際のところ、事業家的思考を持つこと無しに、プライベートカンパニーを使ったあなたの副業が成功することは無いと肝に銘じて欲しい。
さて次は「普通のサラリーマンが会社を設立なんて簡単に出来るの?」について書いてみよう。