今回の経費ノウハウの具体例は、何かと話題にのぼることが多い会議費交際費、そして広告宣伝費についてである。

特にあなたが営業職なら、この交際費(接待交際費)に関しては、何かと利用する機会が多いだろう。

 

サラリーマンの立場からすれば、会社のお金でお客と好き放題に飲み食いできる非常にありがたい経費だ。

それは会社の経営者でも同じこと。むしろ会社の代表の方が使い勝手の良い勘定科目として重宝するに違いない。

 

今回は、そんな接待交際費を中心に、経費計上の仕方について説明してみよう。

 

1.会議費、交際費を経費として計上する

法人代表者の場合、会議費であっても交際費であっても、事業に関連した費用であれば経費として計上することが認められている。

 

1−1.会議費と交際費の違い

ここでまず会議費と交際費の違いについてから簡単に説明しておこう。

 

会議費:プライベートカンパニーの内部で開かれた会議に要した費用や、事業の取引先との社外で打ち合わせや会議を開いた際に発生した費用のこと。

 

交際費:仕事先や仕事の関係者などに対して、接待や贈答、慰安を目的として使用した費用のこと

 

会議費のポイントは、その会議が業務上必要であり、必要な相手と実施したかという点だ。

一方、交際費の場合は、事業を行っていく上で、懇親を図るのが目的となる。

 

金額に決まりはあるのだろうか。

法人の場合は、5000円未満であれば会議費、5000円を越えれば交際費として計上すると考えよう。

 

平成18年の税制改正の際、以下のものは交際費の範囲から除かれることとなった。

 

  • 従業員の慰安を目的とする旅行や運動会に使用した費用
  • 飲食のための費用の場合、参加したもの1人あたりの金額が5000円以下になる費用
  • 物品を贈答するための費用

 

従業員の慰安を目的とした旅行などにかかる費用は福利厚生費だ。

また飲食のための費用の場合で5000円以下のものは会議費となる。

逆に、法人の場合1人あたり5000円を超える飲食費は、交際費として計上しなければならない。

 

この会議費と交際費の基準に従って言えば、取引先とのランチミーティングは会議費であり、夜、お互いの親睦を図る意味で開いた会食は交際費となる。

会社運営の方向性やアイディアをもらうための取材や打ち合わせで、家族や仕事仲間などとランチミーティングに出かけた際にかかった費用なども会議費として計上して問題はないだろう。

 

仕事先に出向く途中や、同業の店舗を視察する目的などで街に出た際に、仕事の準備やまとめをするために入った喫茶店のコーヒー代も会議費として計上してほぼ問題はない範囲と言えるだろう。

 

1−2.接待交際費の基礎知識まとめ

我々のようなプライベートカンパニーはいわゆる零細中小企業だ。

会社法という法律で言えば、中小法人とはおもに資本金1億円以下の法人のことを指す。

 

そして中小法人の場合、接待交際費を考えるにあたっては、2種類の計算方法から得な方を選択することができます。

  1. 1年度(1年間)で支出した交際費のうち800万円を上限に経費として計上
  2. 若しくは、交際費のうち飲食費の50%を経費として計上

 

この2つのどちらかを選択することになる。

 

例えば接待費が2000万円、そのうち飲食費用が1900万円の場合(我々の規模でそんなことはまずないが。)、800万円を経費とするよりも、飲食費用の50%、950万円を経費として計上した方がお得というわけだ。

 

繰り返しになるが、法人の接待交際費の上限額は、1年度で支出した交際費のうち800万円を上限に経費として計上することができる。

プライベートカンパニーで経費を使うのは代表の妻のみ。800万円も枠があるなら、まず枠を使い切ることはないだろう。

 

2.広告宣伝費を経費として計上する

では次に広告宣伝費には何が当てはまるのだろうか。

我々のようなプライベートカンパニーの場合、大手企業のように派手な広告宣伝をしたり、チラシを配ったりということはまずないだろう。

 

もちろんあなたが選ぶプライベートカンパニーのビジネスによっては、紙媒体などの広告を打つこともあるだろうが、それはもちろん経費である。

そして私のように事業でネットショップなどを行っていれば、当然PPC広告(ネット広告)のような集客目的の経費は発生するし、その他ネットビジネスにからむ広告宣伝の費用もかかる。

 

それ以外にも、地味に経費として計上できるのが、仕事で必要な名刺を作ったり、毎年送る年賀状の作成に関する費用。

これは広告宣伝費に該当することになる。

 

その他、カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用や不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用なども広告宣伝費としての計上が可能だ。

 

この広告宣伝費というのも決してバカにできない。

うまく活用することで、しっかり経費計上するようにしよう。

 

3.実際の年間経費計上できた額は?

さて、ここまで書いてきた会議費、接待交際費、広告宣伝費で私のプライベートカンパニーで1年目に年間計上した金額をざっくり挙げておこう。

 

会議費   24万円

交際費    6万円

広告宣伝費  1万円(PPC広告は除く)

合計    31万円

 

本来、5000円未満の会議費も1年を通じで計算すればチリも積もって山となった。

24万円という金額が、プライベートカンパニーを活用することで、税金として納税する前の課税所得から支出できて、さらに同額分の課税所得の控除ができてしまうわけだ。

 

4.さいごに

会議費や接待交際費は、非常に使い勝手が良く美味しい思いができる経費だ。

しっかりルールに則った使い方を意識して、存分に活用して見て欲しい。

 

次は「経費ノウハウの具体例4 自家用車はこうやって経費にしよう。」について書いてみよう。