プライベートカンパニーと妻の社会保険の関係について気になっている人向け。「妻がプライベートカンパニーの社長になった場合、社会保険の問題はどうなるんだろう。年金とか健康保険とか、今は自分の扶養家族になっているけど、社長になったら扶養から外れちゃうのかな。この辺のことが全然わからないので教えてください。」って思っていませんか。

 

そんな疑問にお答えします。

 

✅ 本記事のテーマ

■ 目次

1.プライベートカンパニーにおける社会保険の位置づけについて

2.妻が社会保険を払わずに年金を受け取る方法

3.プライベートカンパニーを使って妻の年金を大幅アップさせる方法

 

 

✅ 記事の信頼性

記事を書いている私は、プライベートカンパニー運営8年ほど。

現在は、嫁さんを社長にした会社を設立、サラリーマンのままでプライベートカンパニーの運営を二足のわらじでやっています。

 

 

■はじめに

プライベートカンパニーを作って奥さんを社長にすると、一つ気になってくることがある。

 

あなたの奥さんの社会保険をどうするかという問題だ。

 

普通、専業主婦だった人がパートタイムに出る時は、扶養控除や社会保険の問題を考える必要が出てくる。

 

プライベートカンパニーでお給料(役員報酬)をもらう以上、あなたの奥さんもこの問題は避けて通れない。

 

ただプライベートカンパニーの経営を行うことのメリットは、このような問題も外的要因に左右されることなく、あなた主導で自分に優位な条件で行う解決することができること。

 

今回の記事はプライベートカンパニーを使って、あなたの奥さんの年金を大幅にアップさせる便利な裏技について説明しよう。

 

 

1.プライベートカンパニーにおける社会保険の位置づけについて

1−1.日本の社会保険の概要。

まずは大前提の話から。

 

この日本国は、国民皆保健と国民皆年金を掲げているため、公的な年金保険と健康保険への加入は必須となっている。

 

日本の年金を司る日本年金機構の資料によると、

「社長が一人しかいない場合であっても、法人であれば強制加入となる」

と記載されている。

 

一方で厚生年金保険法では常時従業員を使用する場合に社会保険の適用事業所とする旨を定めている。

 

例えば株式会社の場合、社長と会社は委任契約の関係にある。

委任とは、他人(会社)のために労務やサービスを提供する契約である。

 

つまり雇用のような従属的な関係が認められない契約ということだ。

 

そうなると、社長は雇用契約を結んだ従業員には当たらないわけだ。

さらに合同会社の社長となると、社長自身が業務執行者となるため雇用関係のある従業員ではない。

 

要するに、社長一人だけなら常時従業員を使用していないので、社会保険の適用事業所にならないということになる。

 

 

1−2.悪の巣窟、日本年金機構の見解。

にもかかわらず、日本年金機構は「社長は従業員」と解釈しており通達でその旨の指示を出している。

 

実際に年金事務所の窓口で確認したところ、やはり全国一律に「社長は従業員である」と解釈しているようであった。

 

旧社会保険庁の頃から、ずさんな管理で年金不払いを続けてきたような官庁である。

 

今でも意味不明な施設の建設や不採算事業の運営による年金資産の浪費、運用の失敗などで損失を膨らませている。

 

そのため法律の解釈や運用にも、ずさんさが目立つのは当然かもしれない。

 

して職員を見ても、そんな知識獲得のため自主的に勉強しているような人もいそうにない。

そんな人達の給料が税金で払われているというのは、全く不毛なこと甚だしい。

 

そもそも社会保障制度は、資本主義が発達する過程で労働者を守るために生まれた制度。

つまり、資本家や経営者のための制度ではない。

 

だから厚生年金保険法の第1条にも

「この法律は、労働者の老齢、障害または死亡について保健給付を行い、労働者及びその遺族の生活と安全と福祉の向上に寄与することを目的とする」

と明記されている。

 

つまり条文の文言だけでなく、制度の生い立ちと立法趣旨から考えても、「社長は従業員」と曲解する余地はないわけだ。

 

日本は、国会で成立した法律に基づいて行政が行われる法治国家。

立法趣旨から逸脱した勝手な拡大解釈を行うことは禁じられている。

 

にもかかわらず、今後日本年金機構は加入逃れが疑われる全事業所に文書や電話で厚生年金の加入を求めていく方針だそうだ。

 

確かに、従業員がいるのに加入逃れをしている事業所があるのは事実。

それを取り締まるということ自体は正しい対応だと思う。

 

しかし、社長1人の事業所に対してまで同じスタンスで挑むというのは、拡大解釈甚だしい。

 

そんな行為は、厚生年金保険法に照らして見ても、明らかな法令違反だ。

当然むげな強行手段は取れないと私は考える。

 

実は設立1年目にして私のプライベートカンパニーにも厚生年金に加入しない理由を尋ねる書簡が届いた。

 

そのため上記のような正論を書いて返信したのだが、その後は何も言って来なくなった。

所詮はその程度なのである。

 

 

2.妻が社会保険を払わずに年金を受け取る方法

ただ、そうは言っても個人起業家はあくまでマイノリティであり政治的な力はない。

いつトチ狂った政府の方針によって理不尽な命令が下されないとも限らない。

 

そこで社会保険の強制適用事業所と認定された場合に備えて、妻社長が被保険者とならないようにしておこう。

 

少なくとも適用対象になるほどの給料をもらっていなければ被保険者とはならない。

そして給料をもらっているか否かは所得税が源泉徴収されているか否かで判断される

 

つまり給料が100万円以下であれば、所得税も住民税もかからないので、源泉徴収もされないということだ。

それなら社長である妻への年間の報酬額を100万円以下に抑えておけば良い。

 

もちろんプライベートカンパニーの中には内部留保としてお金がたまるので、実質的な可処分所得は100万円以上の収入をもらっているのと同じことだ。

 

そうすれば、妻本人が社会保険料を支払わなくても、あなたの扶養家族として年金支給の権利は維持される。

 

妻の給料が130万円以下であれば、妻は夫の会社の健康保険や国民年金に第3号被保険者として加入し続けることも可能。

国民皆保健、皆年金という国の方針には沿っている。

 

サラリーマンは税制面で一番損をしているのだから、それくらいのメリットがあっても良いだろう。

 

私の例で言っても、戦略的に妻は役員報酬を月額7万円に抑えることで上の条件を満たすようにしている。

 

こうすることで得られるメリットは2つ。

私の妻には国民年金の第3号被保険者という社会保険料を払わなくても良い権利を維持できる。

そして、必要になれば社会保険料を払うことによって厚生年金被保険者の権利も持つことができる。

 

いい感じでしょ。

 

 

3.プライベートカンパニーを使って妻の年金を大幅アップさせる方法

支払うべき社会保険料との調整などもあるが、例えば妻が50歳になった段階で10年間厚生年金に加入すると、当然妻の年金受給額も比例して増える。

 

会社としては、妻の社会保険料支払いの負担が義務付けられることにはなるが、当然損金計上(経費計上)ができる。

言うなれば税金負担分で妻の年金額を増やすことができるわけだ。

 

NISAなどの金融商品もうまく活用して、非課税所得を増やすなど作戦を立てれば、しっかりと妻の手取収入の維持も可能となる。

 

もちろん、このような処理を行うかどうかはプライベートカンパニーの儲け具合で判断する必要はある。

 

でも、雇用されている会社の状況に左右されながら労働時間の調整を強いられて保健加入の判断をしなければいけない普通のパートタイマーに比べれば遥かに対応は楽。

 

役員報酬をいくらにするか調整するだけで、自分の好きなように保健加入のジャッジができるというのは、とても大きなメリットと言えるだろう。

 

 

2.さいごに

プライベートカンパニーを活用することで、社会保険料のような社会制度も自分のもっとも都合の良い方法で活用することができるメリットも享受できる。

 

毎月の副業収入で現金を増やすだけでなく、国の社会制度の旨味も十二分に活用して、あなたの生活をさらに豊かなものにしてほしい。

 

さて次は妻の年金アップによるメリットだけではない大きな魅力「妻にスーパーハイパフォーマンスの退職金を支給する方法」について説明しよう。