近年、働き方改革など世論の流れにシフトは見られるものの、現実的にはまだまだ副業禁止の会社で副業をしているサラリーマンは意外と多い。
「子供の教育、車や家のローンの支払いが重い」などの理由から、やむを得ず会社にバレないように副業で収入を得ている人も多いかもしれない。
「在宅ならバレないだろうか?」「バイトでも手渡しならバレない?」など、サラリーマンのあなたが本業の会社にバレずに副業で収入を得るために十分注意していても、実際はバレるリスクを0にすることは難しいのが現実だ。
ここでは、会社員の副業が会社にバレる理由の中で特に多いものをピックアップして説明していく。
1.住民税の増加でサラリーマンの副業が会社にバレる
1−1.住民税が増加して会社にバレる
まず、会社に副業がバレる理由として巷で一番言われているのがこれだろう。
副業をしている、もしくはしたいと考えているサラリーマンであれば、一度は聞いたことがあるに違いない。簡単にいえば、会社の給与から天引きされる住民税の金額で副業がバレるというやつだ。
本来、サラリーマンの住民税は、本人に代わって会社が自治体に支払っている。これは正社員であろうと、パート・アルバイトであろうと同じだ。
あなたがバイトなどをすると、その会社はあなたに支払ったバイト代の金額を、その会社が所在する自治体に申請する。
自治体側から見ると、あなたの給与は2つの会社から支払われていることになるわけだ。そして、普通はその給与に対する住民税は高い給与を支払っている会社を通して支払われることになる。
そのため、あなたの住民税の情報は本業の会社の地域を管轄する役所から本業の会社に通知されることになる。
そうすると、本業の会社にあなたの所得全額分の住民税の請求がいくことになるわけだ。こうして、本業の会社が支払っている給与よりも高い住民税の請求が来るので、それに気づいた経理のおばちゃんが経理部長に報告、それが巡り巡って社長の耳に入り副業がバレてしまうというわけである。
「ちょっとくらいならバレないんちゃうの?」と考える人もいるかと思うが、経理のおばちゃんをなめてはいけない。経理のおばちゃんは重箱のすみを突くことに関しては、天才的な能力を発揮するものなのである。
そして、あなたがお勤めしているほどの会社の経理であれば、1円単位で支払金額をチェックしているものなのだ。
たまに「バイトをしても、手渡しで給与をもらっていたらバレない」という噂を聞いたことがあるかもしれないが、これは根も葉もないデマである。
たとえ手渡しであっても、会社があなたに給与を支払った金額を自治体に申請するので、結局は住民税の金額で会社にバレることになる。世の中、それほど甘くはないのだ。
実際、大きな会社になれば社員一人一人の給与額や住民税の金額の違いなどまでチェックはしていない(できない)ので、実際のところはこれが原因で副業がバレる可能性は高くないかもしれない。
ただ、何かしらの理由で副業していることが疑われた際には、その証拠としては絶大なパワーを発揮する資料となってしまう。そんなリスクは絶対に避けなければならない。
1−2.住民税の徴収金額から副業がバレない方法はあるのか。
それでは住民税の徴収から副業が会社にバレるリスクを完全になくす方法はあるのか。結論から言えば、これを完全に防ぐ方法はない。
これもよくある情報であるが、住民税の徴収方法を特別徴収から普通徴収に切り替えて、確定申告をすることで役所から住民税の情報を本業の会社に通知されることを防ぐという技を紹介している情報が見受けられる。だが、これも万能な方法ではない。
ネットで「副業バイトが会社にバレない方法」として説明されているこの手法は、
役所の住民税担当者に連絡をとって、
1「副業分の住民税を、自分で払いたい」とお願いする。
2「副業分の収入は、本業の会社に連絡されないか」を確認しておく
確定申告を自分で行って
3「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」の欄で「自分で納付」を選択する
という説明がされているようだ。
だが、ここで注意して欲しい。本業の会社で既に住民税を特別徴収(天引き)にしている場合は、副業の給与所得分の住民税を普通徴収(自分で払う)にすることは、原則としてできにゃい。
役所に「副業の給与所得分の住民税を普通徴収にできないか」と聞いてみてもいいが、「原則通り特別徴収(天引き)しかできません」と言われるだろう。ちなみに私の地域の役所では、まさにこの通りだった。
もしも、「普通徴収でいいっすよ❤」と言われたら、超ラッキーである。担当者の指示に従って、手続きを行ってほしい。
だが、繰り返しになるが原則として副業の給与所得分の住民税は普通徴収にはできないので、副業のアルバイトは会社にバレやすく、また言い逃れもできない証拠となってしまうということを知っておいてほしい。
2.マイナンバーでサラリーマンの副業が会社にバレる
住民税の次にサラリーマンの副業が会社にバレる理由としてあげられるのが、このマイナンバーによるものである。
マイナンバーの導入が発表された頃、このマイナンバー制度の導入によって本業の会社に副収入が知られて副業がバレるといった情報が出回っていたが、実際のところマイナンバーによって副業がバレるということはない。
なぜならマイナンバー制度の導入の目的は、個人情報の突き合わせなどの「行政手続きの効率化」が理由だからだ。そもそもマイナンバーの利用は法律で厳しく制限されており、民間会社は社会保障と税金での利用以外の目的で、このマイナンバーを使うことはできない。
しかし、マイナンバー制度の導入によって個人の所得を把握することが簡易になったことは事実であり、これまで副業だからと言って確定申告をしていなかった人が税務調査を受ける可能性が高まったようである。
これは、マイナンバーによって個人銀行口座の出入金情報なども簡単に把握できるようになったからに他ならない。
そのため、しっかりと確定申告などの手続きを取らないと、税務調査の結果によっては給与の差し押さえが発生する可能性もあるようだ。そこで本業の会社に副業がバレてしまい、脱税による国の罰則と社内で罰則を受けることにもなりかねない。
給与所得以外に年間20万円以上の所得がある場合は確定申告の義務が発生する。そもそも、納税は国民の義務である。確定申告は必ず行わなければならない。
3.インターネット上の情報でサラリーマンの副業が会社にバレる
これはインターネットビジネスでサラリーマンが副業をすると、よくある会社に副業がバレる理由である。
副業でネットショップなどを運営する際には、運営者の情報を記載するページがあるのだが、そのサイトなどに掲載した情報から会社にバレるリスクがあるのだ。
ネットショップでは、特定商取引法という法律で氏名や住所などの明記が義務付けられている。そのため、サイトのどこかに自分の氏名や住所を記載しなければならないのだ。
目立たないページに小さく書けばバレないのではないかと思うかもしれないが、いくら小さく書いたところで検索にはヒットしてしまう。
実際に、会社の同僚に名前が検索されて会社にバレたというケースもあるようだ。
ちなみに、これは回避方法が存在する。ネットショップの情報欄に記載する個人名や住所を画像化しておくというものだ。これで検索にヒットするリスクは下がる。
だが、何れにしてもあなたの個人情報を晒すことになるので、万が一あなたの知人があなたの運営しているサイトにたどり着いてしまえば、結局バレることになるのでリスクをゼロにすることはできないのである。
4.自分の自慢からサラリーマンの副業が会社にバレる
「そんなアホなっ?!」と思われるかもしれないが、実はサラリーマンの副業が会社にバレる理由で一番多いのがこれである。自分が副業をしていることを仲の良い職場の同僚などに飲みの席などでぽろっと口を滑らせてしまうのだ。
「お前だけにはこっそり教えるけど、俺副業でたんまり稼いでいるんだぜ、ウッヒョッヒョ。」みたいなことを自慢してしまったりするのだ。
自分では、まさか仲の良い同僚が会社にバラすなんて思っても見ないのだろうが、それはかなり甘ちゃんな発想と言わざる得ない。
人間と言うのは、思いの外成功したり、余裕が出てきたりすると、どうしても人に話したくなってしまうのだ。これは「人間の承認欲求」と呼ばれる他者から認められたい、尊敬されたいと言う原始的な本能であり、どんな人間にも必ず備わっているものなのだ。
逆に、相手は自分に無いものを持っている人間に対する憧れ、羨望が芽生えると、それと同時に嫉妬、反感が生まれるものなのだ。これは、あなたの副業の成果が大きければ大きいほど、同僚のあなたに対するこうした感情は比例して大きくなってくる。
そして、そのような気持ちを持った人間の行動として多いのが、副業をして儲かっているあなたのことを会社に直接、もしくはそれとなくリークすることなのである。
おそらく、その時の彼らの心の中には罪悪感や葛藤などは無いだろう。むしろ「会社の規定に背いて身勝手に副業なんかやっている人間の悪事を会社に伝えた俺って、超会社にロイヤルティ高くね??そんな俺って、まさにジェントル❤」と言った具合だろう。なぜなら日本社会における正しいとされる行動だからである。
だから、あなたは自分を守るためには全体に会社の人間に副業をしていることを、絶対に話してはいけない。どれほど、仲の良い信頼できる同僚や同期でもだ。
できれば会社外の人であっても、その人も副業をしている場合を除いて、あなたの秘密をバラすことはしないことをオススメしたい。それが自分を守る一番確実な方法なのである。
5.さいごに
今回は、サラリーマンの副業が会社にバレる理由について説明した。実際、面と向かって副業禁止だと会社から言われた覚えはないだろうが、実は就業規則に記載があったというパターンはよくあることだ。すでに副業をしている人や考えている人は、今一度自分の会社の就業規則をチェックして見て欲しい。
最近では、政府が進める働き方改革で副業を容認する流れになってきており、実際に副業を解禁する企業は増えてきているのは事実。厚生労働省のモデル就業規則でも副業を容認する記載が追加されるなど、今後はさらに副業OKになる会社が増えていくことは予想される。
だが、日本社会は会社に対するロイヤルティや専従精神などを重んじる文化が延々と続いてきたわけで、そうやすやすと我々にとって都合の良い状態になるまでには今しばらくの時間がかかるだろう。
だから、これから当ブログで紹介していくプライベートカンパニーを設立することで、100%副業がバレない方法を確立するまでは、それまでにクビになってしまわないよう、今回の記事を参考にして副業に取り組んで欲しい。
さて次は、「サラリーマンが副業をすると掛かってくる税金について知ろう。」について書いてみよう。